錯乱ビーバップ


彼は赤色公衆電話の前にいた。

良い事無かったなんて甘えてって、いつも自堕落決意表明
「今日こそは、死んでやるさ」


受話器を取る。
番号はもちろん<59224>。

ゲロまみれの感情は自我のキャパシティを超えていた。喉の奥へ飛び込む青色ハルシオンと井戸水。


受話器の向こうが返事をした。
「今、お前はギロチンの横にいる死刑執行人だ。その紐を千切って飛ぶのはバルビツールでもアルカロイドでも何でもない、お前の首さ」

ぐらぐら茹だる外傷血液、
「どうするかはお前次第。残りの時間を噛み締めろ糞野郎」

受話器と本体を繋ぐ、ぐるぐる配線を噛み千切る。


そして彼は手に握られたハルシオン二粒を遺して逝った。